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修理中の代車料なども問題になります。
以下、それらの点を、順を迫って説明していきます。
①修理費自動車が修理可能なときは、修理費が損害となり、これを加害者は被害者に対して支払うことになります。
通常、この修理費は自動車修理工場の見積書や請求書の金額を信用して処理しています。
しかし、もし、その金額に争いがあるなら、別の修理工場で見積もらせて、平均値を取るほかはないでしょう。
修理費だけを査定する公的な機関はありませんので、加害者と被害者との間で修理費の金額について争いがあったら、よく大きな修理工場に見てもらうほかはないでしょう。
問題は、修理費が多額に達して、自動車の価格(事故直前の中古車価格)よく高くなってしまう場合です。
この場合も、修理費全額を支払えとの判例もあります。
しかし、自動車の価格よく高額の修理費は認めない(車の価格を限度とする)判例の方が有力であり、それが妥当でしょう。
もっとも、自動車の時価より修理費の方が高くなるときは、むしろ、これを全損として処理すべきでしょう。
②格落ちの場合自動車といくものは、仮に十分な修理をしたところで、一度事故にあった車は価格が下落してしまいます。
これを、格落ちとか、評価損といっています。
たとえば、事故にあう前には、時価一五〇万円の自動車であったが、事故後、修理を完了して、一見、元の通りに戻ったが、その事の時価は一二〇万円になってしまったとすると、この差三〇万円が格落ちとなります。
事故にあった車は、専門家が見れば、すぐわかるのです。
この格落ち価格は、どうやって査定をするかですが、通常は、修理工場に査定してもらいます。
しかし、正直なところ、これは余り当てになりません。
というのは、修理工場でも、だいたいのカンでやっているだけで、正確にはその価格がわからないからです。
判例を見ても、格落ち価格を車の購入代金の一割としたもの、車の時価(事故直前の価格)の一割としたもの、修理費のほぼ三割程度としたものへあるいは修理費の五割を超えない範囲で決めるとしたもの、といろいろ考えられています。
理論的に考えるなら、格落ち価格は、事故直前の車の価格から、修理完了後の車の価格を差し引いた残額ということになります。
そこで、その両方の価格が明確に査定できる場合には、それによって計算をします。
しかし、大雑把に考えるときは、事故直前の車の価格の1割ぐらいか、あるいは修理費の三割ぐらいと見るべきではないでしょうか。
◎修理不能の場合全損とは修理不能の場合ですが、それ以外にも、修理費が高額になく、事故直前の車の価格よく修理費の方が高くなってしまう場合も、全損に準じて考えるべきだと思います。
全損の場合は、事故にあう直前のその事の価格(買ったばかりの新車であっても、査定は中古価格である)から、事故後のスクラップ価格を差し引いた残額を損害額とするのです。
そこで、問題は事故直前の車の中古価格の査定方法です。
これは、原則的に、その時点での時価(市場価格)です。
ですから、通常は中古車査定協会(修理工場で聞けばわか-ます)で査定してもらうのですが、しかし現物がない(現物は事故にあって、壊れたものしかない)ので、結局は、その事の年式や走行キロ数へ自家用か営業用かなどによって、価格を査定するほかはありません。
いきおい、平均的な価格しか出てこないので、その事の正確な価格が出てこないのです。
そこで、税法上の減価償却方法(定額法と定率法がある)を利用して、車の時価を出そ、プという考え方もあります。
しかし、裁判所では原則として、この減価償却方法は使っていません。
それは、定率法は税法上(会計法上)の法則であって、車の市場価格を表すものではないからです。
しかし、正確な市場価格を出す方法がないとき、その他、やむを得ない事情があるときは、税法上の原則を借用して、車の価格を出すこともあります。
そこで、定率法について、一応説明します(なお、定額法は、まず使用されないと思ってください。
というのは、自動車のような商品は、一度でも使用されると、著しく価格が下落するもので、毎年毎年、一定額の下落があるわけではないからです)。
まず、自動車の法定耐用年数は、自家用車の場合には、乗用車六年、小型四輪トラック五年、小型三輪トラック三年となっています。
また、営業車のときは、乗用車でも四輪トラックでも三年です。
そして、耐用年数六年の乗用車の償却率は〇・三一九です。
たとえば、購入価格一〇〇万円の自家用乗用車を例に計算してみましょう。
一年経つと、一〇〇万円に〇・三一九をかけた額(=三一万九〇〇〇円)が、その事の減価償却額となく、車の価格は六八万一〇〇〇円に下が-ます。
つぎに、二年経ったときの償却額は、一年目の車の価格六八万一〇〇〇円に〇・三一九をかけた額(=二一万七二三九円)となく、その事の価格は四六万三七六一円となってしまいます。
以下、順次〇・三一九をかけていけば、償却額と車の価格を出せるわけです。
要するに、定率法ですと、最初の一⊥1年は減価償却額が大きいのですが、後は、だんだんと少なくなっていきます。
前にも触れた通-、車の中古価格を査定する方法が他になかった場合には、右の定率法を利用すべきでしょう。
なお、車の全損の場合、被害者の中には、金はいらないから前の車とまったく同じ車を探してこい、と主張される人がいます。
しかし、これは法律上は無理な注文なのです。
もちろん、加害者がそういう車を探してきたなら、その事を被害者が受け取ることはかまいません。
しかし、損害賠償の法律は金銭賠償を原則としているので、代わりの物を請求する権利は、被害者といえども法律上はないのです。
車体車料や代車料休単科とは、事故車の修理期間中とかへ新車が来るまで、その事を使用できなかった期間の、その事による収入の減少です。
代車料は、右の期間中、代わりの車を借りた場合の借料です。
被害者は、この両方を取ることはできず、休専科を取ったら、代車料を取ることはできません。
休車料および代車料は、原則として、営業車の場合にのみ認められると思ってください。
ただし自家用車でも、たとえば通勤に利用していた自動車を破損されて、その事が一〇日間使用できなかったというような場合、代替車両を使用する必要があるときには、一〇日間の代車料を請求することができます。
もっとも、その一〇日間にタクシーを利用し、しかも、そのタクシー利用には必要性があったというときは、かかったタクシー代を請求することはできます。
ところで、休車料の料金ですが、これもなかなか査定は困難なものです。
たとえば、タクシーの場合は、一日の平均売上額からガソリン代、人件費へその他を差し引いた額が一日の純益になりますが、これを正確に出すことはかなり困難です。
会社により、時期により、地方により、営業収入も営業費も違い、もちろん利益率も違うからです。
また、運輸省の統計を利用するのも1方法ですが、この統計を見ると、わざわざ利益率を低く出しているような気がします。
判例をみても、タクシーの場合、一日の営業収入(売上げ)の五割ぐらいを認めた例もありますが、平均的には二割五分から三割を純益と見ていると考えられます。
営業収入は、会社によって大きく違いますので、まず、過去三か月ぐらいの営業収入から1か月の平均収入を出して、その二割五分ぐらいを純益と見るのが適当でしょう。
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